2年前に祖母が治療の末、がんで亡くなりました。
まだ私は19歳で、がんの怖さや闘病生活のサポートをする母の姿を見てたくさんのことを学びました。
昔から家族みんなで祖母の足の浮腫みを気にしていましたが、以前心臓外科の検査でマルファン症候群と診断された経験もあり、「病院に行ったら病気が見つかって人生が終わってしまう。」と言って病院に行くのを嫌がりました。
ですが数年前から祖母は少し歩くだけで息切れするようになり、やっぱり検査を受けた方がいいよと説得して病院に行ってもらいました。
数日後、祖母と一緒に検査結果を聞きに行った母から電話があり、「がんだった。どうやって帰ろう。」と、あまりのショックに頭が回らなくなったみたいです。
よくドキュメンタリーでがん患者の闘病生活を目にしていたけど、まさかこんな身近な人ががんになるなんて信じられませんでした。
祖母は心臓に腫瘍ができるという稀な病気ということがわかり、医者も驚いていました。
今まで病院を拒んでいた祖母ですが、もう少し早く無理やりにでも連れて行ってたら助かってたかもしれません。
それから今まで他人ごとのようにテレビで見ていた闘病生活が目の前で始まりました。
まず、母は職場に事情を話していつでも病院に駆け付けられるように環境を作りました。
手術で一度腫瘍を取り除いたものの、あっという間に全身に転移してしまいました。
それからは弱っていくだけで、緩和病棟に移ってからは抗がん剤が原因で認知症患者のように子供返りして記憶がおかしくなってしまいました。
半年前までノートパソコンとタブレットで仕事していた祖母がこんなになるなんて…がんと抗がん剤の怖さを目の当たりにしました。
私が約1年間の闘病生活で学んでことは主に3つです。
1つ目は柔らかいふわふわの靴下を常備すること。
とにかく靴下の締め付けを嫌がっていました。
2つ目は頭がおかしくなっても話を合わせてあげること。
ストレスは病気の進行を早めてしまうので、なにをいわれても話を合わせて返事をしてあげます。
3つ目は携帯とはさみを取り上げること。
抗がん剤で頭がおかしくなると、夜中に色んな人に電話をかけて迷惑をかけてしまったんです。
はさみで服が邪魔だと切ってしまうこともありました。
闘病生活はほんとに人それぞれ異なりますが、抗がん剤の副作用はかなり辛そうで、いまだに受けてよかったのだろうか…と考えてしまいます。